京都・三条河原町の交差点から、河原町大通を南の四条へ歩いてすぐ左の筋を入ると、
コンクリートのVOXビルの1Fに、今回ご紹介する MEDIA SHOP があります。

周囲は映画館やファッションビルが並び、東に鴨川が流れ、西には錦市場、南の四条河原町や祇園にも近く、市内最大の繁華街の一角です。
大型書店がひしめく激戦地でもありますが、こちらのお店は約30坪と小規模ながらも他店にはない品揃えと雰囲気で異彩を放っています。

先ずガラス扉の入口を入ると、思わず手に取ってしまう個性的なPOSTカードや、雑貨グッズ、左手にはビデオや、現代音楽を中心としたCDの数々、中には今では珍しくなったレコードも並んでいます。

ファイン・アートの作品も販売され、また「モノの売買だけでなく、ヒトとヒトとの出逢いの場になれば」と、店内では定期的にさまざまなイベントも行われています。

書籍は店全体の約7割を占めています。中央の低い平台には選書された書籍や、話題のビデオが積まれています。

内外の美術・デザイン書関係が充実していることが、このお店の特色です。
店の奥には、あまり他店では手に入らない海外の美術館のカタログや、既に終わってしまった展覧会のカタログ等も揃っています。
若者のみならず、年配の大学の先生や、専門の研究者、作家の方々も足を運ぶそうです。

INAX出版の書籍も全てではありませんが、建築書関連の棚に置かれています。
美術書中心のお店ですが、最近になり建築書『10+1(Ten Plus One)』シリーズが、売れるようになってきたそうです。

店の天井はコンクリート打ちっぱなしで、無機質でシンプルな店の中で、表紙を見せて置かれた書籍や、ビデオ等のAV関連商品のパッケージの色が、かえって色鮮やかに映えています。
選ばれた商品から醸し出される独特の雰囲気も、何かまた違った色を添えているようです。