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日本のタイル展

ごあいさつ

「日本のタイル」というと、ちょっと訝しく思われるかもしれません。 私たちの知っているいわゆる"タイル"は、水まわりのそれにしろ、地下鉄構内のそれにしろ、あるいはまたビルの外装のそれにしろ、明治の文明開化とともにもたらされた外来のものであるはずだからです。
しかし、日本にもタイルはありました。その主なものには、いまなおお茶道具として生きのびている"敷瓦”があります。 おそらく新羅から瓦博士によって瓦と同時にわが国に伝えられたであろう"磚(せん)"を原型として、さまざまな名前で呼ばれながらも、白鳳の昔から寺社や茶室の床などを飾ってきたのでした。 "座る"生活をもっぱらとする日本人の建築空間のなかでは、それらはついに大きな位置を占めることはありませんでしたが、このような長い伝統があったからこそ、わが国が鉄筋ビルと近代的な住生活に変わったときにも現在の"タイル"に、つくる側も使う側もスムーズに移行できたといえるのではないでしょうか。
今回は、やきもの蒐集家としてもタイル研究家としても著名な山本正之氏を監修に迎え、同氏のコレクションのなかから、いわば"タイル"以前の日本のタイルの逸品・珍品を選りすぐってお目にかけます。
これだけの数の"日本のタイル"が一堂に集められるのははじめてのことです。 伝来タイルが外来タイルとどう結びついたかを考えるうえでもきわめて興味深く、貴重な展観といえましょう。
さらにそれらは、床に敷き、壁に張るという本来機能的なものであるにもかかわらず、釉薬をほどこし、意匠をこらして、まるで一品製作品の本格的なやきもののように仕上げる日本人の美意識について、あらためて考えさせてくれるのです。

監修/山本正之

INAXギャラリー


*磚(せん)は、通常「いしへん」と「つちへん」の両方が使われます。
INAXでは「つちへん」を使っていますが、ホームページ上の制約から「磚」を使いました。




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図録・BOOKLET『 日本のタイル
INAX出版が発行する建築とデザインを探検するシリーズ

関連サイト 世界のタイル博物館 (愛知県常滑市)
山本正之氏の内外のタイルコレクションを収蔵しています




会 期 ( 終 了 )
ギャラリー1 ギャラリー大阪
1983年10月〜84年1月 1984年12月〜85年2月



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