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牧川明生 展
−TIME WATCHER−

ごあいさつ

INAXギャラリー大阪、1989年5月の現代アートは、オーストラリアに在住し作家活動を続けている牧川明生さんの個展開催です。
オーストラリアといえば、今日では日本との美術交流も盛んですが、3年前(1986年)の当ギャラリーでの、 ジョン・デイヴス展を通して、オーストラリア現代美術の力強さと新鮮さに目を開かされたものでした。そのオーストラリアに滞在すること15年の牧川さんは、6年前東京のINAXギャラリーの発表が日本での最初の個展でした。
当時の作品は、掛け軸状の大きな平面作品を天井から吊るし、木や石を配したインスタレーションでした。平面作品でありながら、吊るすことと、その両面をドローイングすることによって、立体作品の構造をも併せもってしまうことの不思議さに驚かされ、大変刺激的な展覧会でした。

そして今回、立体作品の登場です。題して「TIME WATCHER」。
天辺に立錐形を頂く、2m前後のブリキのオブジェ5点と、それに呼応する壁面のオブジェ6点で構成されます。その床から立ちあがるブリキのオブジェの上部は、ファイバーグラスやエポキシ樹脂をまとい、赤や黄、白黒の顔料で彩られています。
よく見ると、幾重にも塗り込められた色彩を磨き出していて、どこか漆工芸の艶やかさを感じさせます。カラフルな色彩と、天辺のユーモラスなかたちから、ある時は巨大なきのこや、植物の芽のかたち、筆先のしなやかさをも連想させて、ブリキの銀色との対比から、まだ見ぬ宇宙に咲く植物群のように、ファンタジックです。
モノトーンの都市の色を背景に、いまにも動き出してきそうな有機的な牧川さんの作品は、見る角度をかえると、幾通りもの楽しみ方ができます。

INAXギャラリー大阪




注/展覧会図録は刊行していません



会 期 (終 了)
ギャラリー大阪
1989年5月



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