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人間住宅
−環境装置の未来形−

解 説

会場では、環境負荷を最小限にとどめた家づくりを可能にする自然系素材をピックアップし、約20種類を展示します。
見慣れた素材、昔ながらの素材も人間住宅をつくる装置として改めて見直します




【左官材】/タナクリーム#200 (生石灰クリーム)
sample

原材料は石灰岩。石灰岩を焼いたものを生石灰(きせっかい)という。 これを水と合わせることによって沸化してできるクリーム状のものを生石灰クリームと呼ぶ。
漆喰と同様に空気中の炭酸ガスと反応して硬化する。通常、漆喰に使われるのは、一旦粉末状に沸化させた消石灰だが、生石灰クリームの方が付着性が強く、薄塗り工法が可能な分だけ、高い透湿・通気性を示す。
施工する際は、コテ、刷毛、ローラーと何にでも対応でき、土や砂、藁、顔料などさまざまな素材を混ぜることによって、自由な表現が可能。また、下地も選ばず、コンクリートやモルタルの上に直接塗ることもできる。
100%自然素材なので、有害ガスの発生もなく、安全性が高い。

資料提供 : 田中石灰工業株式会社


【左官材】/ケーソーライト (珪藻土)

珪藻土は、海や湖に棲息しているプランクトン(藻類)の死骸が海底や湖底に永年にわたって堆積し、化石化したもの。
主成分はガラスと同じ珪酸質で、表面に無数の超微細な孔を持つ。この多孔質構造により、室内の湿度を調節することはもとより、保温、断熱、脱臭、空気清浄と、すぐれた効果を発揮する。
しかし、これだけでは塗り壁材としては使えず、セメントや消石灰などの凝固材やつなぎ材を珪藻土の中に配合する必要がある。ケーソーライトは、補強材として炭素繊維(スサ)と珪藻土を複合し軽量骨材をプレミックスしている。

資料提供 : 大阪ガスケミカル株式会社 (ページ下に関連リンク有り)

ケーソーライト http://www.osakagas.co.jp/keisodo/index.html
大阪ガスケミカル株式会社のページ
珪藻土についての解説、ケーソーライトの性能・特徴・色見本・施工方法などを紹介


【床材】/桐フローリング

桐の無垢材。ゴマノハクサ科の落葉高木。15〜20年で成木になり、繁殖力が強く再生産性が高い。日本や中国などに広く分布してる。
湿気と火に強く防虫作用をもつ桐は、古くから貴重な衣類を収納する箪笥の材として用いられてきた。
材は軽くて柔らかく加工が安易。その反面、傷が付きやすいため、床材としては普及していない。材の表面を自然系のワックスなどでコーティングして保護すれば、乾燥し易くカビにも強い性質は、脱衣所や洗面所など水まわりの新しい床材となりうる。
足裏への感触が心地よい。

資料提供 : 藤本工業株式会社





【床材】/マーモリウム、アートレイアム (リノリウム)

原材料は亜麻仁油・松脂・木粉・コルク粉・石灰など。亜麻は抗菌性、耐薬品性、帯電防止性にすぐれ、この特質が製品の大きな特徴にもなって古くから床材として使用されてきた。亜麻や木粉、コルク粉などの採取は、計画栽培や木を1本伐採する度に苗木1本を植樹する抑制育林システムによって行われ、森林資源の枯渇を防いでいる。
裏打ちにはジュートを、着色には重金属を一切含まない色素を使用。製品は耐久性に富み、点火も困難である。生分解性があり、廃棄後は土に還り、焼却時にも有毒ガスを発生しない。

資料提供 : フォルボ・クロメニージャパン

フォルボ・クロメニージャパン http://www.forbo-krommenie.com
100年以上の歴史をもつオランダのリノリウム・メーカーのページ
製品の特徴、色見本をはじめ、エコバランスに留意した企業姿勢が伺える


【壁紙】/和紙

sample 伝統的に襖や壁面に貼られてきた和紙は、ほとんどが「鳥の子」といってもよい。
「鳥の子」は、生漉きの雁皮紙(がんぴし)をさすが、未晒しの色合いが鶏卵の殻の淡黄色に似ているところからこの名が付けられた。柔らかい光沢をもつ雁皮紙は和紙を代表するものである。三椏(みつまた)を使った「鳥の子」もその優しい紙肌から、襖はもとより写経用紙、詠草料紙など古来よりさまざまな用途に用いられてきた。
また、染料を用いた「染め紙」の歴史も古く、正倉院の遺物や文書の中にも見受けらる。平安時代になると、大量の和紙が、写経や料紙に使われるようになり、染め紙もさまざまな色で漉かれた。
古来より受け継がれてきた原材料や製法には、現在問題になっている化学汚染の原因となるものが無い。いま、建築の中でも、天然材料を用い、調湿性、強度、風合い共にすぐれた和紙が再び脚光を浴びつつある。
ここでは、「鳥の子」やさまざまな手漉き和紙をもとに、浸け染めの技法による手作り一品制作の「染め紙」を紹介する。色相も日本の伝統色・18色を基本に、明度を3段階に分けて、合計54色の染め色を用意した。

資料提供 : からかみ屋


【屋根緑化】/エクセロ・フロー

ドイツで開発された植生マットによる即完緑化システム。ポリアミド繊維でできた排水層(余分な水分を排水し通気性を保つ)と培地(植生を支え維持し栄養分を与える)という独自の層構造によって構成されている。
培地の上には自生する多年草(セダム類やハーブ類)を基本に植栽され、自然の代謝プロセスによって持続的に世代交代する植物系が形成されるように考案されているため、ローメンテナンスが可能となる。必要な最低限の維持管理作業は、屋上の排水口の清掃と他の雑草を除草すること。
層の厚さは4cmと薄い。緑化することにより屋根の温度変化が少なくなり、室内の気温を一定に保つことができる他、雨水を保水し降水量の半分以上を水分循環に利用できる。

資料提供 : 株式会社ドコー
協力 : グリーンスター株式会社
   株式会社小林造園
   株式会社山陽緑地


関連リンク

都市基盤整備公団 総合研究所 技術試験場 http://www.udc.go.jp/lab/
集合住宅に関する技術の研究だけでなく、その成果を一般に公開している
居住性能館、集合住宅歴史館、すまいと環境館などの施設を紹介

環境共生住宅推進協議会 http://www.kkj.or.jp/
「人と地球にやさしい住まいと暮らしを考え、提案する」ことを目的に活動 環境共生住宅の概念から事例までを紹介

生活価値創造住宅開発技術研究組合(ハウス・ジャパン) http://www.housejapan.or.jp/
21世紀に向けての、長く快適に住める、低コストの住宅供給を目指す各企業の取り組みを紹介

住楽考 http://www.t3.rim.or.jp/~u-minami/
INAX BOOKLET『人間住宅』執筆者の一人でもある南雄三氏のページ
大正時代の住宅を高気密・高断熱、パッシブソーラー化した自邸の再生ドキュメントを紹介する他、住宅全般の問題について考える

大建工業株式会社 http://daiken.studiois.com/
大建工業のページ
ダイライトをはじめ、地球の未利用資源を活用した製品や技術を紹介

青山ブックセンターENVIRONMENT 環境書サイト http://www.aoyamabc.co.jp/public-html/enviro/KMEN/kmen.html


展覧会 TOP PAGE 展示品リスト 図録・BOOKLET 関連書フェア記録
1999年12月〜2月
1Fブックギャラリーにて


INAX CULTURE INFORMATION
http://www.inax.co.jp/Culture/culture.html

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