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ミステリアス・ストライプ
−縞の由来−


解説ページ


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「南海の縞 (インドネシア」
(INAXギャラリー展示より)
南海の縞

室町時代末期から江戸時代、南蛮船や紅毛船によってインドや東南アジアからたくさんの縞模様の布がもたらされた。染めの技法によるインド更紗の縞も含まれていたが、多くは織りであらわした縞であり、インドネシアではほぼ全域で縞織物が織られていた。これらはマラッカやバタヴィアなどにいったん集荷され「島渡りの布」として到来し、日本の縞のルーツとなった。

縞のない縞織物

「ジャワ更紗」の名で親しまれているジャワ島のロウケツ染めには、点描だけで構成された幾何学的な柄の布がある。多くが白地を布素材とするジャワ更紗のなかで、点描模様は格子縞織物を用いる。細かい格子を方眼紙のように使い、格子の交点にロウを置いて染める。完成した布には、ロウが置かれた部分に地色が残るが、格子縞は染め上げられて姿を消してしまう。
会場写真
「消えた縞」(INAXギャラリー展示より)

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「松坂もめん」
(INAXギャラリー展示より)

松阪木綿

最盛期の寛政年間 (1789〜1801) には、年間50万反以上もの「松坂嶋」が江戸に向けて送り出された。
(※参考図書・田畑美穂著『松阪もめん覚え書』中日新聞社発行)

江戸向け木綿積み出し高
寛政元年 : 561.850反
寛政二年 : 563.100反
寛政四年 : 556.750反
寛政五年 : 552.659反
寛政九年 : 526.180反
寛政十一年 : 471.330反

伊勢型紙
三重県鈴鹿市の港町白子を中心に作られる、白生地に柄を染めつけるための用具。薄手の楮和紙を柿渋で何枚もはり重ね、それにいろいろな図案を彫る。細かい縞模様は加工をするうちに柄にゆがみを生じたりするので、「糸入れ」といって、地紙に絹糸を入れ、模様を固定して補強する。三重県松阪市法田の紺屋だった黒部家には花鳥風月のデザインのほかに縦、横、斜めの縞模様の型紙が数多く残されている。
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「伊勢型紙」(INAXギャラリー展示より)


間道 (かんとう)

鎌倉時代から江戸時代にかけて中国から運ばれてきた絹や木綿の織物で、縞や格子の模様を織り出したもの。漢東、漢渡、広東、閑島、漢島、邯鄲などいろいろな字が当てられる。単純素朴な中に「冷・凍・寂・枯」という日本独自の美学を見いだした茶人たちに愛され、やがて「名物裂 (めいぶつぎれ) 」という超ブランド品になっていく。愛用した茶人や、その裂が用いられた名物茶碗や茶入に因んで名が付けられ種類が多い。

関連リンク
TEA百科のホームページ「裂地」の項目 http://www.teahyakka.com/kirejiJlayout.html

「しま」について

● しま・・・「嶋」「嶋」「縞」
(南洋諸島から渡来したものの意)
1.織柄の一。二種以上の色糸を用いて織物の経 (たて) または緯 (よこ) あるいは経緯に種々の筋をあらわしたもの。
2.織物の筋に似た模様。

●たてじま・・・「竪縞」「縦縞」「立縞」
織物の経糸 (たていと) の方向にできた縞模様。また、その織物。

●よこじま・・・「横縞」
緯 (よこいと) の方向にできた縞模様。また、その織物。

※広辞苑より
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「チャパン」(INAXギャラリー展示より)
縞々学

地層や樹木年輪など自然界に刻まれた縞模様は、躍動する地球の記録テープであるとして、それらを読み解くことで地球史の解明を目指す。

関連リンク

横縞なホームページ あるいは縞縞学へのいざない
http://epp.eps.nagoya-u.ac.jp/shima/

岐阜大学地学科のホームページ
http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/
地学情報部 > その他 > いろいろな縞々ページでは、自然界の様々な縞模様を見られます



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