gallery

緑をまとう家 展
−我流天国−


解説ページ


Houses in Green:
Nature-lover's Paradises




ここでは会場でメインに紹介している3軒の「緑をまとう家」を中心にご覧いただきます。
1. 東京・大森、シラトリビル
2. 東京・国立、プランターコテッジ
3. 沖縄・那覇、野石積みの家
4. 海外の「緑をまとう家」
1-3の写真すべて 撮影:瀬戸正人
4 写真撮影:浜田剛爾


大森 大森

東京・大森、シラトリビル

ウメ、ナツミカン、ユズ、グレープフルーツ、レモン、ブドウ、キウイ、カキ、フキ、ジネンジョ・・・。
本人もどこに何があったか迷ってしまうほど、多くの実りがある農園。
地上と思いきや、なんとそこは、東京・大森駅前にある「シラトリビル」の屋上だ。このビルのオーナーであり、住人の白鳥俊一さんは、1914年生まれ、柔道九段、自ら白鳥パッキング製造株式会社を経営する。ビルは同社の工場兼、家族7人が住む自宅として、1968年に建てられた。
大森 大森 大森
大森 大森

大森
広さ100トンの屋上は、100t以上の土を厚さ60cmに敷き詰めた本格的な農園となっている。
ビルの2階は事務所だが、かつては「大森水族館」と名付け、ワニやピラニアを飼っていた。 そこで14年生きていた ワニが1匹、剥製姿で屋上に飾ってある。
ビル建設当初から屋上農園や水族館は計画されていて、水100t、土100tの荷重に耐えられるよう、基礎がつくられた。屋上は、地下鉄工事業者に頼んで、水が流れる溝を掘り、防水は、セメント、アスファルトを3重にして処理した。

屋上農園には、何十種もの果樹、フキや自然薯などの作物が植えられ、食べきれないほどの収穫をもたらす。 屋上の恵みはご近所へのお裾分けにしている。

「屋上で昼寝をすると、気持ちいいんですよ。水遣りは、朝晩1時間ずつ。夏の屋上は乾燥するので、特に念入りに撒いています。もともと自分は、長野県の百姓の出。畑をつくる自信はあったし、土いじりがしたかったので、屋上農園を始めました。
当時は緑化の効果なんて考えたこともなかったけれど、夏に、屋上とビルの1階でそれぞれ気温を計ったら、10度違いました。東京中、屋上を全部緑にすれば、だいぶ住み良くなるかもしれません」

屋上だということを忘れさせる、まさに駅前オアシス。
緑と季節の花々、果実にあふれた、贅沢な空間である。



東京、国立、プランターコテッジ

東京・国立にある「プランターコテッジ」。
築40年の長屋で、元の状態に戻すことを条件に、小池雅久、恒子夫妻が自らの手で改築した。 土と漆喰で内外壁を塗り、空間を広げるため屋根裏を取り払った。屋根裏がない分欠ける断熱力を補うため、屋根の緑化を思い立つ。地面と壁面に仕込んだプランターボックスから、つる性植物が伸びて、外壁と屋根を覆い尽くす。
緑化を手がけて5年。

すぐに壁面を覆うようにと、初年度はアサガオ、ユウガオなどの一年草を植えたが、現在は、ハゴロモジャスミンなどの多年草が中心。
住宅街の中にあり、ひときわ目立つ家だが、完成以来、「場」が「人」を呼び、ご近所の「草好き」との交流も増えた。プランターコテッジを見た人から、家の改築・デザインを依頼され、現在手掛けていると聞く。



国立 国立
国立 「野草の会」で
素朴な料理を
楽しむ

国立 野草の会

国立 国立


また当初は住まいとして利用していたが、より人が集まる場となるように、現在はセカンドハウス、実験ハウスとして利用している。

ギャラリーにして知人の作品を展示したり、カフェとして開放したり、予約すれば見学することもできる。
関連リンク
リキ・トライバル http://www.riki-tribal.net/"



沖縄・那覇、野石積みの家
南国の屋上はイモ畑
沖縄
沖縄
新垣さんの畑で獲れた
リュウキュウイモを
つかったサラダ
沖縄
沖縄 沖縄
サラダ 沖縄
屋上にイモを育てる人たちがいる。「琉球藷(りゅうきゅういも)の邦(くに)」の皆さんだ。

そのひとり、沖縄・那覇市在住の建築家、赤嶺和雄さんのお宅を訪ねた。4月はじめというのに、門にはブーゲンビリアの花が咲き、石積みの壁をツタが這い上がる。中2階の書斎から屋上に上がってみると、そこにはイモをはじめ、ハーブやフルーツの菜園が広がっていた。 この家は、赤嶺さんが1981年に古い家を建て替えて設計・新築したコンクリート造の自邸である。

以前からあった井戸を中庭に残し、リビングや座敷、寝室が周囲を取り込む。壁は、沖縄で石垣によく用いられ、吸湿性・通気性に優れる琉球石灰岩を分厚く積み上げている。さらに植物が壁を覆って直射日光を遮る。特にカーブを描く東側の外壁は、地面のたった4カ所に植えたツタ(アマミツタ)とフィファツィ(ヒハツモドキ)に、幅20mほども覆い尽くされている。

屋上のほとんどは、パッションフルーツのパーゴラ(棚)で覆われ、地面にはイモの葉が広がる。竣工当初、断熱のため土を15cm盛り、芝生を一面に植えた。その後、夏の日照りや水不足に強いハーブを栽培し、97年にイモを植え始めた。

「夏になると日照りが大変だから。パーゴラに這わせたパッションフルーツのお陰で畑が日陰になるし、実も穫れる。家が北向きなのがかえっていいですよ。でも台風が来るときはもうイチかバチかです。緑が少ないときは大丈夫ですけれど、多いと全部飛ばされてしまう。パーゴラをロープで引っ張って、地面にアンカーを打ちましたけど全部やられたんです」

「琉球藷の邦」は、赤嶺さんの先輩にあたる建築家・國場幸房さんからカンダ(イモの茎)を分けてもらい、自宅でイモを育て、イモによる緑化を実践しようとしている人たちの集まりである。
みんなが集まる晩は、それぞれが収穫したイモを持ち寄り、幾種類ものイモ料理に舌鼓をうつ。
image



海外の緑をまとう家
01
02
03
image
image
image
image
image
image
04
05
06

01「フンデルトヴァッサーハウス」オーストリア・ウィーン
02「スイス・チューリッヒ工科大学の校舎」
03「ノルウェー・オスロ」
04「ノルウェー・オスロ」(2)
05「ノルウェー・オスロ」(3)
06「フランス・ノルマンディー」




関連リンク

石山修武研究室
「世田谷村」をご覧いただけます。
http://ishiyama.arch.waseda.ac.jp/www/home.html

財団法人都市緑化技術開発機構
都市緑化技術に関する調査研究、技術開発、技術評価を推進しています。
http://www.greentech.or.jp/jpindex.html



展覧会
TOP PAGE
展示品リスト 図録・BOOKLET 関連書フェア


INAX CULTURE INFORMATION
http://www.inax.co.jp/Culture/culture.html

ギャラリーへのご意見、ご感想、お問い合わせ等はこちら
E-mail:xbn@i2.inax.co.jp

本ウェブサイトからの無断転載を禁じます

symbol
 Copyright(C) INAX Corporation
 http://www.inax.co.jp