中西信洋 展 会期 :2005年3月1日(火)〜3月29日(火) |
中西信洋さんは29才の若手作家で、これまで関西を中心に発表をしてきました。作品のほとんどはインスタレーションで、毎回別人のような多様さを見せます。いずれも鮮烈で完成度の高い作品です。 高さ210cm四方の紙でつくった立方体を蟻の巣のように刳り貫いたもの。高さ200cmの土による楕円や起き上がりこぼしのような円柱による空間構成。「Stripe drawing」は平面作品で、段差や影、反復をモチーフに灰色の線だけで描かれたロールシャッハ・テストのように見えます。「水玉の空洞」は、ガラスやサンドグラスのような透明樹脂の、孔の開いた楕円をいくつも組み合わせ、理科室の実験道具が集積したような清澄で凛とした佇まいがあります。「空白の庭」という作品では、会場の壁におびただしいパルプを貼り付け、様々なかたちの粘土状の染みに覆われたギャラリーは、まるでエイリアンの襲撃を受けた宇宙船の内部のように侵されて衝撃的です。 中西さんは、ごく普通なかたち、何者でもないかたち、日常的なかたちを使うことによって、ものの意味を取り去り、自由に行き来のできる、境界の曖昧な世界を表現しています。ちょうど、映画のマトリックスやターミーネーターのような、物質や感情を自由に出たり入ったりする感覚に似ています。中西さんは、素材を変え、技法を変え、あらゆるものに疾走してつかみとろうとしているかのようです。 今展では35ミリのポジフィルムに、透明な背景で時間をずらして写し取った針金やお茶の葉、ワゴムや胡椒やアイスクリームや焼跡を、それぞれ24枚ずつ重ねたものを3×3の等間隔で整列させて、9台のライトテーブルに乗せてご覧頂きます。また同時に平面作品も展示致します。満ち溢れてくるなにかの気配や、粒子のような物質感を、小さな井戸のような立方体を覗いてご覧いただきます。 |
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