川口奈々子展 -流絡のペインティング-
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川口さんの作品は、パステルカラーのピンク、オレンジ、グリーンを中心としたカラフルなペインティングです。オイルカラーですが隣り合わせる色の組み合わせ方で、アクリルやペンキのような鮮やかさが際立ち、アニメや絵本のようなポップな印象があります。モチーフは滝、山並み、三つ編み、少女、火山などで、立体感を排して図と地の区別がなく描かれています。リボンや鼻水、シナプスといった流線形が色の固まりで描かれ、涙はリボンとなり、髪の毛は山となるといったように、イメージが次々と繋がり絡み合いながら連鎖していきます。ところどころ線画で、墜落する人間や虚無僧、擬人化されたリスや熊が、パズルに隠されたヒントのように現われ、巨大なひとコマ劇画のような画面には、心理テストで描かれたような謎めいたモチーフが現れてきます。
川口さんは、このドロドロと流れていくもの、あるいは連鎖していくものを自身ではコントロールのできない欲望や不安、愛情といった感情として表わし、または人間の力では制御のできない自然などをテーマにしています。川口さんの描くグリーンの絵の具の溜まりには、表面張力で膨んで、今にも山を覆う緑に成長するような生命力のリアリティを感じて迫力があります。溶解していくピンクの髪や山を包むオレンジのリボンも、超自然的な力を連想させてエネルギッシュです。川口さん京都在住の若手作家で、公募展でも受賞されていますが、今回が東京初個展となります。 |
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