ポール・マトックス 展

ポール・マトックス(Paul Mattocks)さんは ロンドンを中心に活躍中の若い作家で、日本での初めての個展開催となります。

私たちは日頃、大量生産される清潔感にあふれた堅牢で安価な工業製品に囲まれ、その規格品に慣れ親しんでいます。でも時にはその通俗性や画一性が話題にのぼり、比較の対象として自然物―植物・鉱物や気象が作り出す風紋などのかたちが引用されることがあります。

こうしたネイチャーデザインとよばれる自然がつくりだす美には、私たちのいきものとしての遺伝子が内から刺激されたような、素直な感動を覚えることがあります。

今回ご紹介するポール・マトックスさんの作品は、ちょうどこの相反する二つの世界から素材となるかたちを選びだし、自身の手とコンピュータを駆使して融合や合体をくり返し作品に到達します。

地球の地図、或いは地表の地図の一部をピンポイントで指定し、コンピュータ画面上でコラージュや作図をし、その中から彼のオリジンな幾何形態を決定して三次元に置き換えた立体です。

1961年イギリス生まれ。

ロンドンで美術大学を卒業するまでに世界中を旅行する。
その中にはヨットのクルーとしてアラスカ、日本、中国、インド、旧ソビエトなどの航海も含まれる。

ウィンブルドン・スクール・オブ・アート、聖マーティン・スクール・オブ・アートで学ぶ。

1993年ロイヤル・カレッジ・オブ・アート彫刻科修士課程終了。
卒業後はバービカンセンター、ロンドン・アートフォーム、 ホワイトチャペルで展示を行う。
2回の個展のうち1回はロンドン・アトリウムギャラリーにてインスタレーション｢マップ｣を開催。

現在ロンドンの東にあるスタジオを基盤に幾つかの専門学校で教えながらテレビのアートディレクターとしても活動中。