INAX GALLERY 2

齊藤ちさと 展

− Rice Dot ドローイング −

会期:1999年 7月1日(木)〜7月28日(水)
休館日:日曜・祝日



会場 会場

齋藤ちさと(さいとう ちさと)さんは透明なビニールシートに米粒でかたちを描き、空間にはりめぐらせる作品を発表している作家です。

ビニールシートは壁に掛けられるのではなく、空間を仕切るように天井から床まで吊り下げられます。
このところのモチーフは口腔、電話器、椅子、洗面所や蛇口、便器など身体にまつわるもののかたちを中心に点描してきました。印刷もコンピュータも私たちをとりまく目に見える世界の多くは「粒」や「たま」というドットでできています。
近代絵画が原色の点描で光がつくる色彩の世界を表現した頃から200年をこえて、いま1999年の点描はビニールシートと米粒のゆらぎの膜のような表現になりました。

ビニールのゆらぐ透明さは、遠近感覚も狂わせます。あるかたち越しに遠くの別のかたちが重なって見えたり、画廊の床や壁が作品のように見えたりします。いや画廊の床や壁やドアも作品と呼べるものなのかもしれません。
透明なものに刻印されたかたちだけがかたちではないことを斎藤さんの作品は気づかせてくれます。「作品のように見えるという事態」こそが、作品だと気づかせてくれるのがインスタレーションとよばれる形式の特徴ではないかと思います。

齋藤さんは世界の物質はすべて粒子でできているという考えに強く惹かれ、一番身近かにある、「粒」と認識できる粒子として米を選びました。 見えることも見えないことも含めた視覚というふしぎが齋藤さんの制作のテーマです。



CHISATO SAITO 作家略歴

1971 東京生まれ
1994 女子美術大学卒業
1996 女子美術大学大学院修士課程美術研究科修了

個展
1996
「影の休息」(藍画廊/東京)
1997
「見えてしまうカタチについて」(ギャラリー山口 /東京)
1998
「きわめてささいな思考について」(ギャラリー工房`親` /東京)

グループ展
1991
「パパイヤ缶展」(世田谷美術館/東京)
1995
「hight and weight 313.7・89.5」岡田裕子と二人展(galleryNWハウス/東京)
「寿限無」(SCAI THE BATH HOUSE/東京)
<三島ストリートギャラリー>参加(静岡)(`96,`97,`98)
1996
<Morphe `96>「RESTO」花屋での天井インスタレーション(フロリーネット/東京)
1997
<DEGITAL ART MUSEUM PROJECT`97>「また会いましょう」
<2000BUG>「私が見ているものは何だろう」
インターネット上での作品展開
:共に http://www.big.or.jp/~flipper
CRACOW International Print Triennale`97(ポーランド)ドイツ、ブラジルに巡回
1998
<DEGITAL ART MUSEUM PROJECT`98>
「Rice Dot-私たちの身体が動くこと・時差・そして得られるかもしれない何かについて」
インターネット上での作品展開
http://www.flipper.Kcom.ne.jp
「寿限無」(現代美術製作所/東京)

会場
会場
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