近年香港では世界的レベルのデザイン、広告、映像作品が次々と生み出されています。トミー・リー(李永詮)さんの作品や活動はその頂点にあります。ニューヨーク、パリ、ロンドンのグラフィック・デザイン展には常に招聘され、たくさんの賞を受賞してきました。

トミーさんの作品にはエレガントな国際的センスに加えて中国伝統のデザインエッセンスがひそんでいます。
中国の平原、毛語録の赤、景徳鎮の陶器、1920年代の上海などを現代の無数のシーンと重ねあわせて、激しく、強くそれでいて静かで凛としたイメージを作り出します。
1999年12月20日 マカオ返還のイメージポスター(下画像中央／右端)にもみられるメッセージのセンスは、鋭い洞察力と包容力を兼ね備えているからこそ、未だ見知らぬ未来までをも私たちに感じさせてくれるのです。

若い頃にコラムニストとして香港映画のアート・ディレクションをしながら東京にも住んだことのあるトミーさん。いまやその仕事は映像からホテル・プロジェクトまでと広範囲にわたり、アート・クリエイターとして、境界を超えることが仕事とでもいいたげな活動の多様さです。1999年5月から刊行されている｢VQマガジン｣というデザイン誌の仕事があります。

｢バウハウスのデザインのようにメッセージ性があり使命感のある人、モノを育てていきたい｣と若手アーティストやデザイナーのための発表の場をつくりながら、ご自身も、次なる作品として｢漢字と英語がケンカしない、なだらかなひとつの流れになる新しい表現｣を試みています。

■ギャラリー・トーク 開催■
スライドを見ながら制作のことなど
作家ご自身に語っていただきます

日時：オープニング当日 2月1日(木)18時〜19時
既に終了しています
ギャラリーカフェ(ギャラリー2会場同フロア)にて
入場無料、先着20名(予約不要)