INAX GALLERY 2

福岡道雄 展
―何もすることがない ―

会期:2001年6月1日(金)〜27日(水)
休館日:日曜・祝日



会場写真 会場写真
福岡道雄(ふくおかみちお)さんは1960年代から作品の発表を続け、INAXギャラリー2では3回目の個展開催になります。
近年の福岡さんは、直方体や立方体の黒いFRP(繊維強化プラスティック)の固まりの上面にさざなみが立った川や湖沼と、そこの端で釣糸を垂れる人物や、岸辺の小石など、風景やその中に小さな人物像があらわれた作品を発表してきました。 それらは現代的竜安寺的盆景、文房四宝の硯の景色、あるいは真っ黒なFRPのかたちから、宇宙的立体影絵と名づけたくなるような作品で、多くの人々の心に触れ、虜にしてきました。
近作では黒いFRPの一面に、まるで白い線が隙間なく引かれているようにしか見えないのに、その白い線は[何もすることがない]と何千も同じ文字が彫り連なった作品になります。
会場写真
福岡さんが最初にこの[何もすることがない]ということばを使ったのは1961年に作品の素材の廃材を探しまわっていたときで、[何かしなくてはいけないが、することがない]という焦燥と空虚の入り混じった 思いからだったと言います。そして、阪神淡路大震災。40年近い歳月を経て、福岡さんの心に再び甦ってきたのはこのことばでした。
棺や墓標のイメージも浮かんできますが、もっと強く示しているのは、国家や人生や芸術や、もちろん真っ先に自分自身を笑い飛ばしてしまっているような、死にもの狂いのニヒリズムとマグマのようなユーモア感でした。
キャリアのある作家の新境地をどうぞご堪能下さい。

上2枚の作品をクリックすると、別の角度からの拡大画像が表示されます(各32,40K)



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■ オープニング・トーク ■

スライドを見ながら制作のことなど
作家ご自身に語っていただきます

日時:6月1日(金)18時〜19時
(終了しています)
ギャラリーカフェ
(ギャラリー2会場同フロア)にて

入場無料、先着20名(予約不要)




MICHIO FUKUOKA 作家略歴

1936
大阪府生まれ

1958
白鳳画廊(大阪)で個展以来、信濃橋画廊、東京画廊、村松画廊等で発表
1959
朝日新人展
1963
不在の部屋展(内科画廊・東京)
1964
現代美術の動向展(国立近代美術館京都分室・京都)
1966
現代美術の新世代展(国立近代美術館・東京) 1967
第2回現代日本彫刻展(宇部市野外彫刻美術館・宇部)
1968
第8回現代日本美術展(東京都美術館・東京)
第1回須磨離宮公園現代彫刻展(須磨離宮公園・神戸)
1969
現代世界美術・東と西の対話(東京国立近代美術館・東京)
1970
20人の方法展(信濃橋画廊・大阪)
1972
現代美術の鳥瞰展(京都国立近代美術館・京都)
1975
第2回彫刻の森美術館大賞展(彫刻の森美術館・箱根)
1977
第8回中原梯二郎賞優秀賞受賞
個展(ナビリオ画廊・ミラノ)
1978
アジア現代美術展(福岡市美術館・福岡)
会場写真
会場写真
1980
福岡道雄の世界(大阪府民ギャラリー)
1981
アート・ナウ'70〜'80(兵庫県立近代美術館・神戸)
第16回サンパウロ・ビエンナーレ(サンパウロ)
日本現代美術の動向展(韓国芸術院文化振興院美術館・ソウル)
1960年代現代美術の転換期展(東京国立近代美術館・東京)
1983
現代日本美術の展望 立体造形展(富山県立近代美術館・富山
1984
第3回ヒューマンドキュメンツ(東京画廊・東京)
1985
現代彫刻の歩み 木の造形展(神奈川県民ホールギャラリー・横浜)
彫刻の四人展(和歌山県立近代美術館・和歌山)
明日の美術館を求めて2 環境としてのイメージ展(兵庫県立近代美術館・神戸)
1986
現代美術における白と黒(埼玉県立近代美術館・浦和)
1987
個展(ギャラリー16・京都)
1988
11人の作家による現代美術の1988年展(何必館・京都現代美術館)
1989
地・間・余白 今日の表現から(埼玉県立近代美術館・浦和)
1990
個展(東京画廊,信濃橋画廊)
1991
芸術と日常―反芸術/汎芸術(国立国際美術館・大阪)
1992
国際野外彫刻展(足立区・東京)
1993
個展(信濃橋画廊,村松画廊)
1994
彫刻家の素描展(旭川市彫刻美術館・旭川)
1995
30周年記念−20人の方法展(信濃橋画廊・大阪)
1996
日本の現代美術50人展<21世紀への予感>(大阪ナビオ美術館)
個展(カサハラ画廊・大阪)
1997
国立国際美術館の20年(国立国際美術館・大阪)
個展(アートスペース虹・京都)
1998
個展(信濃橋画廊,村松画廊)
1999
個展(東京画廊・東京)
2000
福岡道雄新作展 僕達は本当に怯えなくてもいいのでしょうか(伊丹市立美術館)
2001
個展(INAXギャラリー2・東京)1985,1994同展



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