土泥礼讃展
「埴染め」「CPタイル」「CPブロック」など | ニューセラミックス |
「土」という漢字は本来、「万物を生み出す形」を象っていると言われています。その「土」は現代の国語辞書では一変して、「価値のないもの、容貌の醜いことのたとえ」とも記されています。いつのころからこの国では、土を「汚れた、きたない」というイメージでとらえるようになったのでしょうか。 しかし、あらためて土や泥に向きあい、まっすぐに見つめてみれば、土の無限ともいえる可能性と、大切さに気がつきます。「人間は、水と空気がなかったら生きてはいけない。」とよく言われるフレーズに、これからは「土」の文字をも加え、万物にとっての「土」、という視点を忘れないようにしたいと思っています。都市空間に住んでいると、ほとんど土や泥に触れることがありませんが、日本は稲作の国、森の国です。あるいは四方を海に囲まれ、そこに流れこむ多くの河川や湖沼に囲まれた国です。それらの場所にある土に出会い触れてみると、驚くほど多彩な土や泥の表情がゆっくりと見えてきます。たとえば干潟、そこは土泥の宝庫です。飛び込んでみれば、五感がみるみるうちに動きだします。土泥は空気や、水、風、日ざしによって刻々と表情を変えるものであり、万物の生命の宿る場所であり、屍がもどっていく場所でもあります。一方で、人間の営みに深く結びつき、古代より建築、農業、土木、工業、化粧品から医薬品までさまざまな分野に利用されてきました。世界中で見られる竪穴の住まいから、現代では分野を横断して進化するニューセラミックスまで、土泥がもたらしてくれた恵みに圧倒されます。 本展をとおして土泥を見つめなおし、感じ、内包する大いなる力を知っていただければ幸いです。ここには土や泥の「価値あるもの」の、堂々として、のびやかな姿があります。 昨年開催した「秘土巡礼」展において「秘土(ひど)」ということばをつくり、この展覧会のためにまた新たな「土泥(どでい)」ということばをつくりました。土と泥を巡ってきて、あらためて、その豊穣さを礼賛したい気持ちでいっぱいです。 展示にあたっては、関係の皆さまがたに多大なるご協力をいただきました。この場を借りてあつく御礼申し上げます。 INAXギャラリー |
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展示品リスト
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解説ページ ■ 講演会記録 (終了) 東京/大阪 / 名古屋 ・・・参加無料 (要予約)
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図録・BOOKLET『土泥礼讃』
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関連書フェア記録 (終了) |
会場写真は東京会場のものです
ギャラリー1 (東京) | ギャラリー大阪 | ギャラリー名古屋 |
9月5日(木)〜 11月22日(金) |
12月6日(金)〜 2003年2月21日(金) |
2003年3月7日(金)〜 5月23日(金) |
INAXギャラリー 2002年展覧会記録
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