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松村泰三 展
―あるものは見えない、見えないものはある―

会期 : 2004年7月1日(木)〜7月28日(水)
休廊日 : 日祝日




松村さんの作品は、高速回転する光の照射によって、見えないはずの無限の虹色の立体が出現する、光と色のインスタレーションです。
松村さんは1980年代から、少しだけコンピュータを使って、ほとんどは物質や粒子や時間相互のわずかなズレの中に、あらゆるものがあるのだと伝えるアートのパイオニア的存在で、数々の賞を受賞してきました。
昨秋「surface」がアメリカで第6回「ロレアル 色と科学の芸術賞」金賞を受賞しました。この賞は色をめぐる科学と芸術の創造的な出会いに貢献している人を表彰するものです。今展ではこの作品を中心に新作と3点で展覧致します。


surface /2002 /全景


回転が遅くなると仕組みが見えてくる

「surface」は、回転する物体表面からの光反射間隔を3原色のストロボと同期にすることによって、人間の眼の残像を利用して「3原色の加色混合」を実現しています。回転とともに、赤から濃いピンク、黄色、黄緑、青へと虹色の光の色環に変わり、それまで見えなかった様々なかたちが浮び上がります。静かに止まると、そこにあるのは、さっきのシンプルな白い幾何学形。動き出した瞬間、円環状のかたちに、色彩が束になって光り輝くさまは、新しい生命体が生まれたような瑞々しさです。

INAXギャラリーでは、1987年にまだ学生だった松村さんの作品展「ライト ストリーム マシーン」を開催しました。一列に並べた点滅する光源を高速回転させた作品は、残像によって様々なかたちを描き出し、松村さんのローテクノロジーで見せるセンスと造形が好評でした。
この後メディア・アートの世界は多種多様なハードとソフトを駆使して、驚異的な感覚を私達に体験させてくれました。その中にもいくつかの潮流がありますが、松村さんのような、科学で原理が確定されていても、身体が実感としてとらえきれていない現象を、シンプルな造形物でリアルに体感として現前させる作家は稀です。細胞がわき立つような感触が身体にも眼裏にも残ります。光と色彩に満ちた部屋全体を使った造形と、宇宙船の操縦室のような近未来感覚のインスタレーションをお楽しみください。


rotator/2004/全景
近くで見ると高速回転しているのがわかる

peep show/2004
映像制作協力 : 佐竹純(浜辺少年)
手前にある覗き窓を覗くと、映像が見えてくる不思議な仕掛け



■ アーティスト・トーク ■
スライドを見ながら制作のことなど
作家ご自身に語っていただきます
7月1日(木) 18時〜19時
ギャラリーカフェ(会場同フロア)にて
入場無料、先着20名 (予約不要)



Matsumura Taizo 作家略歴
1964年 青森県生まれ
1990年 筑波大学大学院芸術研究科デザイン専攻修了

作品歴
1986年 第16回 日本国際美術展(東京都美術館、京都市美術館)
ハイテクノロジーアート公募展1986 《金賞》(サンシャインシティー/池袋)
国際光の造形展(大通り公園/札幌)
1987年 第18回 現代日本美術展 《大賞》(東京都美術館、京都市美術館)
IMAGES DU FUTUR`87(モントリオール/カナダ)
グループ展 メディアインスタレーション「OPtica」 (NECショールーム/日比谷)
「TECNO JAPON`87」メインオブジェ制作(マドリッド/スペイン)
個展「ライトストリームマシン」(INAXギャラリー/京橋)
1988年 グループ展「OPtica」Light Aquarium(真木画廊/神田)
個展「LIGHT STREAM MACHINE」(INAXギャラリー/広島)
「光・ひかり・ヒカリ」展 (エネルギー館/青森EXPO`88)
造形発見展「光と造形」(こどもの城/青山)
arts-units 日本尖端科技芸術展 (台湾省立美術館)
1989年 現代茨城の美術展 -戦後40年の流れ-(茨城県近代美術館)
グループ展「OPtica」DIGITAL LANDSCAPE (O美術館/大崎)
「未来芸術コンペティション」国内公募展 《優秀作品賞》 (名古屋市科学館)
造形発見展「光と造形`89」(こどもの城/青山)
光の造形展(大通り公園/札幌)
1990年 個展「SCAN」(秋山画廊/神田)
INAXギャラリー2 100回記念チャリティー展 (INAXギャラリー/京橋)
1991年 グループ展「OPtica」ELECTRICAL SERVICE (青山ギャラリー/池袋)
芸術祭典・京「都市映像論/KYO」(大丸ヴィラ/京都)
芸術祭典・京「都市映像論/KYO」(大丸ヴィラ/京都)
個展「SPEED」(ヴォイスギャラリー/京都)
個展「still」 (ギャラリーすずき/京都)
個展「stream」(DCギャラリー/大阪)
1992年 JAPAN PAVILION SCIENCE ART GALLERY (セビリア万博日本館/スペイン)
個展「SECTION」 (ヴォイスギャラリー/京都)
個展「SECTION」 (ヴォイスギャラリー/京都)
Pre-ex-sight 動くオブジェ展 (O美術館/大崎)
[ビデオ・新たな世界]展ーそのメディアの可能性ー (O美術館/大崎)
美術が2倍半位わかりそう逆入門展(目黒区美術館)
1993年 Pre-ex-sight ART BATTLER(ギャラリー美遊/神田)
個展「Synchronize」 (ヴォイスギャラリー/京都)
3番目の友人 不思議の国のオブジェたち展 (SAM MUSEUM/大阪)
1994年 ICC OPEN WORKSHOP「光る!動く!あやしい?」 (東京デザインセンター/五反田)
IMAGES DU FUTUR`94(モントリオール/カナダ)
ヒカリキソ -身近な体験から光の造形へ(美ヶ原高原美術館)
Techno Art(オンタリオサイエンスセンター/カナダ)
1995年 サイエンス・アート展 (大阪府庁新別館南館)
MULTIMEDIA GARDEN(ATCデザインギャラリー/大阪)
松村泰三展(プラスマイナスギャラリー/銀座)
1996年 IN/OUT (ハラミュージアムアーク/群馬)
1997年 rotorelief (ギャラリー美遊/神田)
「メディア・アート その軌道」展 (東北芸術工科大学/山形)
「光をつかむ-素材としての<光>の現れ」展 (O美術館/大崎)
1999年 超感覚ミュージアム 《銅賞》 (東京、福岡、長崎)
2000年 アニメーションズ -過去から未来へ(東京都写真美術館)
キャノン・デジタル・クリエーターズ コンテスト2000 《入賞》(青山スパイラルホール/東京)
2001年 文化庁メディア芸術祭   (東京都写真美術館)
トリックアートコンペ 《優秀賞》 (みくに文化未来館/福井)
2002年 第14回 あかりのオブジェ展 《準グランプリ》  (岐阜市文化センター/岐阜)
2003年 ロレアル 色の科学と芸術展 《金賞》

収蔵作品
Space Cycloid(毎日新聞社収蔵/東京都写真美術館寄託)
scan(大阪府収蔵)
metamochess(福井県三国町)

ワークショップ
1988年 造形発見展「光と造形」(こどもの城/青山)
1989年 造形発見展「光と造形`89」(こどもの城/青山)
1994年 ICC OPEN WORKSHOP「光る!動く!あやしい?」 (東京デザインセンター/五反田)
ヒカリキソ ?身近な体験から光の造形へ(美ヶ原高原美術館)
1996年 IN/OUT (ハラミュージアムアーク/群馬)
1997年 「光をつかむ-素材としての<光>の現れ」展 (O美術館/大崎)
1999年 '99夏休み子どもプログラム「ひかり絵」(国立西洋美術館)
2003年 光と色彩のハーモニー《光の箱》を作ろう!! (いわき市立美術館)
夏のワークショップ2003 光の箱 (水戸芸術館)



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