Art Newsは、ギャラリー2の展覧会カタログです。ここに掲載論文を御紹介します。
みしまジック 入澤ユカ(INAX文化推進部チーフディレクター) 三島さんの作品が記憶に焼きついたのは、15年ほど前、新聞紙が束ねられた作品によってだ。新聞紙の束そのものだと思ったが陶だった。新聞や雑誌は三島さんの長い間のモチーフだが、近作の新聞紙の束を画廊の天井まで、古紙回収業者の倉庫のように積み上げた作品はポリエステル樹脂だ。美術写真家のA氏が思わず「床抜けないか」と心配したというが、陶と見紛ったのだ。陶の作家とおもわれているが、素材は金属や樹脂のこともある。
三島さんの仕事をひとことでいえば、ありえない所に、ありえない大きさで、ありえない質感のものを出現させてきたことだ。あまりのことに、あっけらかんと見えてしまう過剰さ。新聞や雑誌がもつメディア性で論じられる批評や解釈などを吹き飛ばしてしまう、蕩尽の力とでも言ってみたくなる表現に魅了された。
新作をうす暗闇ではじめて見て、いや、見る前に踏んづけていた。最初の一瞬でトリックにはまったと思った。
今回のモチーフは、昨年夏招かれたハンガリーからの旅の帰途でドイツの空港で手にした美術の新聞をモチーフにした。ジャン・ティンゲリー、アンディ・ウォーホール、ジョセフ・コスースなど、三島さんがいずれも心を奪われた作家たちの記事らしい。ドイツ語は全く読めないといいながらその新聞に強く惹きつけられた。 |
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