三島美喜代 展

三島さんは休むことなく、世界中を舞台に精力的に作品を発表しています。
素材も時代や環境を反映して、陶に止まらず、アルミやポリエステル、塩化ビニールと変化しています。三島さんの作品の特徴は、ありえない所に、ありえない大きさで、ありえない質感のものを出現させることです。

今展では、新作が登場します。
三島さんが旅の途中、ドイツの空港で手にしたドイツ語の美術新聞がモチーフです。
ジャン・ティンゲリー、アンディ・ウォーホール、ジョセフ・コスースなど三島さんが心を奪われた作家の記事や写真、図版の一面が16倍に拡大されたものです。
発砲スチロールで文字や図版をつくる特大モノタイプ的新聞です。 すべて手作業でつくられ、紅殻などで染めた紙に、文字や図版を貼り、使い捨てカイロの鉄粉の錆色が乗せられます。
そして、その錆色の新聞が画廊の壁から床までをほとんどを覆うかたちで展示されます。

｢おもいっきり、バカみたいなことをやってみたい｣が口癖の三島さんの作品は、現代美術の小難しい批評や解釈を吹き飛ばし、マジックショーのようにも私たちを楽しませてくれます。