1997年(平成9年)3月にオープンした NADiff (ナディッフ) をご紹介します。
原宿・表参道の並木道を青山方面へ歩き、伊藤病院の角を左に入ると、通りの華やかさを残しながらも急に閑静なたたずまいが感じられる一角、緑色の屋根の南仏風オープンカフェの前のエントランスの黄色いアーチが目印です。 地下への階段を降りていくと、柔らかい陽がさしこむ静かなカフェが迎えてくれます。 周辺に多いデザイン事務所の人達の打ち合わせや雑誌のインタビュー取材や対談の場所として利用されることも多いそうです。

NADiffは、New Art Diffusionの略です。 芸術関連書やグッズなどに強いことで知られ、水戸芸術館内の contrepoint (コントルポアン)、東京都現代美術館内の[モット]ザ・ショップ、新宿オペラシティ内のgallery5、渋谷のBunkamura地階にナディッフ・モダン、せんだいメディアテーク内にNADiff bisと、それぞれ名前のちがう計6店鋪を展開しています。

こちらのお店の特色も、何といっても洋書を中心とした美術関連書の充実ぶりにあります。
フロアの右側の棚には、海外の展覧会の現地カタログや、古書や希少本といった、なかなか手に入りにくい美術書、写真集などが豊富に揃っています。 運が良ければバーゲン・セールで手に入れることもできます。
土地柄からお客様は若い方が中心ですが、年輩の方のご利用も目立ちます。 高価な希少本が並ぶ奥の一角では、研究者とおぼしきの初老の男性が、じっくりと腰を据えて目当ての書を探している姿もよく見られるそうです。

また、左奥の店内には、ミュージアムグッズやアーティストが作ったカラフルな雑貨類がところせましと並んでいます。 その奥は、現代音楽を中心としたCDの売場です。 これらに囲まれるようにフロア中央には、小さなギャラリーが内包されています。 ギャラリーオープン日や、関連イベントが催される日は、大勢のお客様でにぎわいます。 新たな企画の度に、新たにさまざまなお客様が訪れます。

INAX出版の書籍は、どちらかというと建築・デザイン書寄りなので、洋書・アート書中心のこちらのお店には、全点揃っているわけではありませんがが、『10+1』などの新刊は、テーマを絞ってを置いて戴いています。

ご担当によれば、「基本はあくまでアート関連の洋書・和書であるけれども、各ジャンルの先端的な要素がしみ出してくるような、幅広い選書を心がけています。 訪れたお客様の興味を広げるお手伝いになれば」とのことです。