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オランダ・タイル展
−正方形の美術−

ごあいさつ

「オランダ」と聞いて思いうかぶのはチューリップと水車。 事実、かつてこの国でさかんに作られていたタイルにはそんなのどかな風物が描かれています。 そして、船。
これらのタイルが本格的に作られるようになった17世紀ごろのオランダは、世界をまたにかけて交易をすすめる一大海運国でした。 デルフトを中心にブルー&ホワイトの染め付けで知られる窯業がさかんになり、その影響はやがてヨーロッパ各地に広がりますが、そのきっかけになったのもこの交易によってもたらされた、中国や日本の磁器なのです。
オランダのタイルは、なによりもまず、親しみぶかい、日常生活や身のまわりの風物を写実的に描いた図柄を特色としています。 風車や花だけでなく、遊ぶ子供、兵士、そして神話や民話、聖書の場面など。 このオランダ・タイルに触れるとき、私たちがどこかなつかしさに似たものを感じるのは、この牧歌の情景と、そのデザインや色彩が遠いむかし中国や日本から渡ったことからくるのかもしれません。
17世紀以来の絵柄を伝え、手づくりで作られつづけてきたオランダ・タイルですが、今では本国でも貴重品となっています。
そんなオランダ・タイルを、しかも主要な題材のほとんどすべてを網羅する逸品ばかりを、タイル研究家、山本正之氏のコレクションから、お見せすることになりました。 かつて当ギャラリーで初公開し、広く話題を呼んだ 「日本のタイル」 「ヴィクトリアン・タイル」 展に続く、いわば、「世界のタイル文化シリーズ」第3弾です。
小さなタイルの枠のなかにくりひろげられるオランダ物語 ― 「正方形の美術」展、どうぞお楽しみ下さい。

監修/山本正之

INAXギャラリー


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図録・BOOKLET『 オランダ・タイル

INAX出版が発行する建築とデザインを探検するシリーズ

関連サイト 世界のタイル博物館 (愛知県常滑市)
山本正之氏の内外のタイルコレクションを収蔵しています




会 期 ( 終 了 )
ギャラリー1 ギャラリー大阪
1987年3月〜5月 1987年6月〜7月



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